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鉄|作用と性質、注意事項

ミネラル類サプリメントである鉄の作用と性質、注意事項についてお伝えします。

鉄の作用と性質

鉄は欠乏しやすいミネラルです。男性より女性の方が欠乏しやすく貧血の90%は鉄欠乏によるものです。

成人の体内には4g前後の鉄があり、約70%が機能鉄です。機能鉄は赤血球中にあるヘモグロビンにヘム鉄として取り込まれ、酸素と結びついて全身に酸素を運びます。残り30%は肝臓などに蓄えられている貯蔵鉄で、機能鉄の不足を補います。

鉄が不足すると体の各器官に酸素が充分に運ばれないため酸欠状態になり、息切れやめまいなどの貧血症状になります。貧血は機能鉄が不足し、更に貯蔵鉄が不足して起こります。鉄欠乏貧血は10~30代の女性では5~10%ほど存在し、機能鉄が欠乏している潜在的鉄欠乏は10~30代の女性で3分の1~半数存在すると考えられています。

女性は毎月の月経で血液を失うため貧血になりやすく、成長期や月経過多の女性にあらわれやすい症状です。閉経後の女性や男性には、貧血はみられない傾向にあります。

鉄が欠乏しやすい人は子宮筋腫や痔、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどを患っている人や成長期の子供です。また、コーヒーや緑茶、紅茶を多く飲む人も鉄欠乏になりやすいと考えられます。

鉄の主な作用と性質のまとめ

  • 赤血球のヘモグロビンの構成成分です。酵素の運搬にはたらきます。
  • 筋肉中で、ミオグロビン(ヘモグロビンに似たタンパク質)の成分として、血液中の酸素を筋肉に取り入れる役割をします。
  • 各細胞で、酵素の成分として酸素を活性化し、エネルギーを産生を助けます。
  • 肝臓、骨髄、脾臓、筋肉などには貯蔵鉄があり、必要なときに血液中に放出されます。
  • 吸収率が非常に低いため、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率をあげるようにしましょう。
  • 過剰症-鉄の吸収率は約8%と低く、必要以上に吸収されることはほとんどないと考えれます。しかし、サプリメントで過剰に摂り続けると肝臓に障害を生じさせ、成人では鉄沈着症、小児では鉄中毒を生じさせてしまいます。また慢性アルコール中毒の人は、鉄過剰症をおこす場合があるので注意しましょう。
  • 効能効果などの注意事項-サプリメントや健康食品の作用や性質は絶対的な効能や効果ではありません。医師や専門家に相談の上、医薬品や他のサプリメントとの摂取の仕方などに注意して使用しましょう。

鉄で期待される健康維持の作用

  • 脳やからだに酸素を供給し、体全体の機能を助けます。
  • 髪や爪の健康を保ちます。
  • 肌の血色をよくします。
  • からだの成長を助けます。
  • 疲労を防ぎます。
  • 病気に対する抵抗力をつけます。
  • 造血作用があり、鉄欠乏症貧血を予防する作用があります。
  • 体温を維持します。

鉄が欠乏すると心配される症状

  • 神経過敏、集中力低下、思考力低下をおこします。
  • 舌や口の角が赤くただれます。顔色が悪くなります。
  • 肩や首筋がこります。
  • 鉄欠乏製貧血がおこります。疲れやすい、動悸、息切れ、頭痛が起こります。
  • 爪がサジ状に反り返ります。
  • 感染症にかかりやすくなります。
  • 食欲不振、便秘、下痢、おなかがはる、慢性胃炎などをおこします。
  • 妊婦は、未熟児の出産の可能性が高まります。幼児は、無関心がおき、発育が遅れる可能性が高まります。
  • 冷え性になります。

鉄が必要な人の例

  • 妊婦
  • 授乳婦
  • 月経のある人
  • 成長期の子供
  • 貧血気味の人
  • 痔の人
  • 歯ぐきから出血のある人
  • コーヒー・緑茶・紅茶をよく飲む人
  • 子宮筋腫や潰瘍の病気の人

鉄を多く含む食品

  • 豚レバー
  • 鶏レバー
  • アサリ
  • かつお
  • がんもどき
  • 納豆
  • 菜の花
  • 小松菜
  • ほうれん草
  • ひじき