不溶性食物繊維|作用と性質、注意事項
食物繊維類サプリメントである不溶性食物繊維の作用と性質、注意事項についてお伝えします。
不溶性食物繊維の作用と性質
植物の細胞壁の構造物質が中心である不溶性食物繊維は水に溶けないため、水分を吸収しふくれる性質があり、腸壁を刺激して腸の運動を促し、食べ物の残りかすを体外へと排出させます。
不溶性食物繊維には、セルロース、ヘミセルロース、不溶性のペクチン質、リグニンなどがあり、肥満や便秘、憩室症、大腸がんなどの消化器系等の病気の予防や改善に作用が期待できます。
不溶性食物繊維の食品は、よく噛む必要があるため早食いや過食をなくします。また、消化されにくい性質上、満腹感が得られ、肥満防止へつながります。更に歯茎やあごを強化して歯並びをよくし虫歯を予防させる作用があります。
腸内細菌の分解を受けにくく、水分を吸収してふくれるので腸壁を刺激して腸の蠕動を活発にすることから、便秘予防や改善に作用が期待できます。水分を多く吸収した便は排泄しやすくなり、排便の際に力む必要が無くなるため憩室症(腸内の圧力で大腸に小さな突起ができ、便などの異物によってできる炎症)を防ぐことができます。更にこの作用によって、便秘などで腹圧が上がり、静脈血が逆流して起こる静脈瘤の予防や改善へつながります。
不溶性食物繊維は便の量を増やして発がん物質の濃度を薄め、排便回数を増加させて発がん物質を腸内にとどめる時間を短くさせます。その作用によって高タンパク、高脂肪、低食物繊維の食生活で起こると考えられる大腸がんの予防に作用があると考えられています。このような排便を促進させる作用は有害物質を吸着して排泄させるので、有害物質の滞留時間を短くして農薬や食品添加物などに対する害からからだを守る作用が期待できます。また、余分な栄養も吸着することから、糖尿病や動脈硬化、高血圧の改善にも作用が期待できます。
不溶性食物繊維の主な作用と性質のまとめ
- 水に溶けない食物繊維です。
- 口中での咀嚼回数をふやし、唾液の分泌量を増す事ができるので満腹感を得やすくできます。
- 胃の中で長時間留まっています。
- 便を柔らかくして、水分を吸収してかさをふやし、腸の蠕動運動を活発にします。内容物の移動、排便に役立ちます。
- 腸内の有用菌群を増やして腸内環境を改善します。
- 腸内にある発がん性物質などの有害物質の排出を促進します。
- 過剰症-とりすぎによって下痢症状を起こすと、必要なミネラルなどの成分を体外に排出させてしまいます。
- 効能効果などの注意事項-サプリメントや健康食品の作用や性質は絶対的な効能や効果ではありません。医師や専門家に相談の上、医薬品や他のサプリメントとの摂取の仕方などに注意して使用しましょう。
不溶性食物繊維で期待される健康維持の作用
- 有害物質を排泄します。
- 歯ぐき、あごを強くして歯並びをよくします。虫歯を予防する作用があります。
- 満腹感を得やすくなる事で食べ過ぎによる肥満を予防、改善します。
- 虫垂炎を予防する作用があります。
- 便秘を予防し、改善します。
- 静脈瘤など、静脈異常を予防する作用があります。
- 憩室症を予防・改善します。
- 大腸がんを予防する作用があります。
- 痔疾を予防する作用があります。
不溶性食物繊維が必要な人の例
- 食欲旺盛で肥満気味の人
- 洋風料理、脂身の多い食品が好きな人
- 便秘がちの人
- 大腸がんが気になる人
不溶性食物繊維を多く含む食品
不溶性食物繊維を多く含有する食品 | ||
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種類 | 多く含有する食品 | 作用が期待される症状 |
キチンキトサン | かにの甲羅、えびの殻、シャコの甲羅、イカの軟骨、チーズ、きのこ類 | アレルギー性疾患改善、抗がん作用、血中コレステロール低下、便秘解消、肝機能活性化、腎機能回復、血圧抑制、血糖値抑制 |
セルロース | ごぼう、小麦ふすま、玄米、大豆 | 腸内の善玉菌増殖、有害物質を排泄 |
ヘミセルロース | ごぼう、小麦ふすま、玄米、大豆 | 腸内の善玉菌増殖、有害物質を排泄 |
ペクチン | キャベツ、大根、みかん、オレンジ、りんご、柿 | 血糖値の上昇を予防、コレステロール抑制、有害物質を排泄 |
グルカン | 干ししいたけ、きくらげ、シメジ、ひらたけ、アガリクス | 抗がん作用、生活習慣病予防 |
リグニン | ふすま、イチゴ、なし、ラズベリー、豆類、ココア | コレステロール抑制、腸内環境の調整 |
コーンファイバー | ビスケット、クッキー、パン、※すべてコーンファイバー添加食品 | コレステロール抑制、血糖値抑制 |